今回は、失敗しないための出口戦略について詳しく解説します!
・そもそも出口戦略って何?
・売る時にかかる税金の計算方法が難しくて、よくわからない。
・売るタイミングは、いつがいいの?
・売る時の具体的なイメージがわかない。
そんなことで、悩んでいる方は、参考になると思います。
是非、ご覧ください。
出口戦略とは
出口戦略というのは、売る戦略です。
不動産投資で失敗しないためには、必ず購入前に、イメージしておく必要があります。
順調に家賃収入を得られたとしても、出口で失敗してしまうと、全体の収支としては、マイナスになることも考えられるからです。
では、どのような出口戦略のパターンがあるのか、説明します。
収益物件の出口戦略のパターン
①実需向けに売却
自宅として使用する人に対して売る
※実需向け:実際に住む人向け、という意味。
- メリット:住宅ローンが伝えるため、売りやすい
買主が素人の場合は、高値で売れる可能性もある
※違法物件だとローンが組めないので要注意! - デメリット:あまりにもボロや築古物件、違法物件だと売りづらい
- 対象物件:戸建や区分マンション
②収益物件として投資家に売却
入居者がいる状態で、利回り〇%という投資商品として、投資家に売る
- メリット:ボロや築古物件も売りやすい
- デメリット:相手はプロなので、相場並みで売却
- 対象物件:戸建や区分マンション、1棟アパート
少しわかりづらいと思うので、具体例で説明します。
【具体例】以下のような物件を利回り15%の投資商品として売る場合です。
- 家賃/月:6万円
→年間家賃72万円÷15%=480万円
⇒480万円で売れるかもしれない、と予想できます。
③土地として実需向けに売却
建物を解体し、土地として売る
- メリット:好立地であれば売りやすい
- デメリット:不便な場所だと売りづらい(売れないこともある)
入居者がいる場合は、退去してもらう必要がある - 対象物件:戸建、1棟アパート
知り合いに解体業者がいなければ、紹介してもらうのも一つの手です。
④売却しない
売ることは一切考えない
借家として貸し続ける、もしくは将来的に自宅にすることなどが想定される
- メリット:売却を考える手間や、譲渡所得税がかからない
- デメリット:ずっと物件管理をし続けないといけない
出口戦略のポイント
所有期間
個人の場合
個人の場合、所有期間が5年未満の短期譲渡だと譲渡所得税が約39%、5年以上の長期譲渡だと約20%かかります。
また、分離課税といって、1案件ごとに売却益に対して税金がかかります。損益通算できません。
5年以上の長期譲渡のタイミングでの売却をおすすめします!
法人の場合
法人の場合は、所有期間に関係ありません。
総合課税といって、他の売上や支出と損益通算できます。
1案件ごとではなく、法人全体の利益に対して税金がかかります。
課税所得が400万円以下であれば、約21%、800万円以上であれば約33%です。
所有期間は関係ないので、規模拡大を目指す人には法人化をおすすめします!
将来の人口動向
購入を検討している物件のエリアの将来の人口の増減をチェックしてみましょう。
地方の場合は、ほとんどの地域で人口が減り続けます。
それに対してのリスクヘッジ方法としては、
田舎でも賃貸需要があるエリアを選ぶことです!
それは、
主要駅、役所、総合病院などがある、まちの中心地です!
土地値のリサーチ
入居がつかない、建物が使えなくなる、など最悪を事態に対するリスクヘッジ方法として、土地として売ることです。
その場合、購入を検討する物件の、土地値をよくリサーチすることです!
物件価格に対して、土地値が高い物件を買うようにしましょう!
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別記事で土地値の計算方法について詳しく解説していますので、こちらをご覧ください。
【初心者必見】アットホームを使った収益物件の探し方徹底解説!売却価格の査定
売却査定で気を付けるのは、以下の2点。
①複数の不動産屋に査定を依頼する
少しでも高く売るために、複数の不動産会社に査定をしてもらい、相場価格を知ることが大切です。
1社だけに依頼した場合、このような状況に陥る可能性があります。
- 査定価格が、実際に売れる価格とかけ離れていたため、なかなか売れない。
- 査定価格が安すぎたため、もらえるはずの利益がもらえない。
②他社よりも高い金額を提示する不動産屋には要注意
複数の不動産会社に査定を依頼した際に、1社だけ非常に高い金額を提示する会社がある場合は要注意です。
元付業者になって、両手取引を狙おう。
そのためには、売買の案件を確保したい。
まずは高い金額で査定しておいて、後で売主に値下げ交渉すればいいや。
不動産屋とすると、仲介手数料がもらえる金額が1円でも多い方が良いはずです。
仲介手数料をもらうために、まずは元付業者になって案件を確保したいと考えます。
結果的に、相場よりも安く叩かれる可能性があるので、お気をつけください。
出口戦略のシミュレーション
私の所有物件、戸建1号を事例に出口戦略を考えてみます。
今回は、融資を使わない場合を想定して計算します。
物件のスペック
物件のスペックは以下のとおり。
- 家賃/月:7.5万円(年間家賃:90万円)
- 築年数:30年(2021年現在)
- 構造:木造
- 備考:個人で所有
- 購入価格:550万円
※金額リフォーム費込み - 購入諸経費:40万円
6年後に売却することを想定
長期譲渡期間となる6年後に、利回り12%で売却することを想定します。
- 売却価格:750万円
※90万円÷12%=750万円 - 購入価格の内訳:土地250万円、建物300万円
- 減価償却費:300万円(4年間で建物価値がゼロになる)
- 取得費:購入価格-減価償却費-購入諸経費
=210万円 - 売却諸経費:40万円
※売却時の諸経費
売却益(キャピタルゲイン)のシミュレーション
売却益を計算します。
- 譲渡所得:売却価格-取得費-譲渡費用
=750万円-210万円-40万円
=500万円 - 譲渡所得税:500万円×約20%
=約100万円
⇒売却益:約400万円
家賃収入(インカムゲイン)のシミュレーション
さらに、6年間の家賃収入をお忘れなく。6年間一度も退去が出なかったとします。
- 累計家賃収入:年間家賃90万円×6年
=540万円 - 事業収益(税引き後):540万円×95% ※個人事業主の事業税は5%です。
=513万円
全体収益のシミュレーション
戸建1号の全体の収益を計算をします。
513万円-590万円+約400万円
=約323万円
税計算は複雑なので、正しい金額ではないと思いますが、
理論上は、戸建1号で、合計約323万円の利益が出ることになります。
規模拡大のために
そして、規模拡大のために、この売却益を元手に新たな収益物件を購入する。
②賃貸物件として貸し出す
③売却する
これを繰り返すことで、規模拡大ができます。
更に複数の物件を同時進行すれば、規模拡大のスピードが速まります!
ただし、宅建業者以外が、短期間に転売を繰り返すと、宅建業法違反になるので、ご注意ください!
まとめ
出口戦略がいかに大事なのか、ご理解いただけましたでしょうか。
あまりにも短期で売買を繰り返すと宅建業法違反になってしまうので、要注意なのですが、
不動産投資で規模拡大のスピードを速めるには、出口戦略が非常に重要になります。
まずは小さく始めて、5~6年ほど保有した後に、売却。
そして、更に収益性の高い物件に買い替え、また5~6年後に売却。
これを繰り返すことで、確実に資産規模が拡大し、FIREも夢ではないと確信しています。
今回は、以上です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!