今回のテーマは、不動産投資に宅建資格が必要かどうかについて。
私は2015年に宅建士試験に合格し、宅建士登録をしています。
不動産投資家&宅建士の視点で、詳しく解説します。
・不動産投資を始めたいけど、宅建資格って必要?
・不動産投資の勉強をするのに、宅建資格の勉強は役に立つ?
・宅建資格を取得するメリットとデメリットは?
・宅建資格を取得するのに、かかる費用は?
この記事をご覧いただくことで、
「不動産投資で宅建資格が必要かどうか」、「宅建資格取得のメリット・デメリット」がわかります。
気になる方は、続きをご覧ください。
不動産投資に宅建資格は必要?
結論|必須ではありませんが、持っておくと強みになります。
必須ではありませんが、持っておくと強みになります
そして、資格は持っていなくても、不動産投資に宅建士レベルの知識は必要です。
ただ、絶対に必要な資格というわけではありませんが、資格を持っていて損することはないので、時間に余裕がある人は試験勉強しても良いでしょう。
不動産投資に宅建資格が必要なケース
物件を取得して、短期売買を繰り返す場合は、個人であっても宅地建物取引業法違反になるケースがあります。
その場合は、自分で宅建の資格を取るか、宅建の資格を持つ従業員を雇い、宅地建物取引業者免許を得る必要があります。
宅建資格(宅地建物取引士)とは
宅建士は、不動産投資家のためではなく、不動産屋のための国家資格です。
残念ながら、宅建士資格の勉強を通じて、不動産投資に必要な知識が身につくわけではありません。
例えば、以下のような内容です。
- 不動産の仕入れ方
- 銀行開拓
- リフォーム
- 客付方法
- 節税方法
1日でも早く不動産投資で結果を出したければ、宅建士資格の試験勉強をするのではなく、YouTubeや本、ブログなどで不動産投資の勉強した方が良いと思います。
ただ、不動産に関する法律など基礎知識が得られるので、宅建士資格のテキストを読んで、勉強することには賛成です!
さらに、宅建士資格を所有しているとメリットも大きいので、時間を確保して、試験勉強にチャレンジしても良いと思います。
宅建士の仕事内容
宅建士は、通常、不動産屋の従業員として不動産の売買や賃貸の仲介などを行います。
下記3項目の業務については、宅建士の「独占業務」と位置付けられています。
つまり、宅建士の資格を保有し、宅建士登録した人のみ行うことができる業務ということです。
- 重要事項説明
- 重要事項説明書の記名・押印
- 契約書の記名・押印
宅建資格の試験内容
試験内容
宅建資格の、主な試験内容は以下のとおりです。
- 権利関係(民法、借地借家法、不動産登記法、建物区分所有法など)
- 宅地建物取引業法に関するもの(宅建業法、住宅瑕疵担保履行法など)
- 法令上の制限に関するもの(都市計画法、建築基準法、国土利用計画法、農地法、宅地造成等規制法、土地区画整理法など)
- 税金関係(所得税、印紙税、不動産取得税、固定資産税、不動産鑑定評価基準など)
上記の4つに分類されます。
関連する法律が多く、出題範囲がかなり広いことが、宅建士の試験内容の特徴です。
宅建士には、不動産取引におけるさまざまな法律の知識が必要となります。
合格率と受験者数
- 合格率:約15%~18%
- 受験者数:毎年20万人以上
簡単に合格することは難しい資格であり、人気の資格の一つと言えるでしょう。
不動産投資家が宅建資格を持つ4つのメリット
メリット①:不動産に必要な知識が得られる
不動産投資は動く金額が大きいため、1つのミスが致命傷になりかねません。
例えば、以下のような知識は身につけておくべきです。
- 基本的に、市街化調整区域は再建築不可(例外あり)
- 土砂災害レッドゾーンは建築が難しい場合がある
- 市街化区域の農地は、宅地への転用が簡単
- 4m以上の幅員道路に2m以上接していなければ、再建築不可
- 前面道路の幅員4m以下であれば、再建築時にセットバックが必要
- 大家にとっては、根抵当権ではなく普通抵当権の方が好都合(当然のように根抵当権を設定される金融機関がある)
- 宅建業者無免許で、短期転売を繰り返すのは違法行為
- 普通借家契約と定期借家契約の違い(大家にとっては定期借家契約がベター)
宅建資格の勉強をする中で、不動産投資家として、知っておくべき知識を得ることができます。
メリット②:融資が受けやすくなる
特にはじめて金融機関に融資相談をする場合ですが、宅建士資格を持っていると、融資が受けやすくなります。
ただ、資格があるから確実に、というわけではないので、プラスα程度という認識で良いと思います。
体験談|宅建資格を持っていたことで融資を受けられた事例
私が大家としての実績がなかった頃の体験談です。
大家実績がない人でも、宅建士資格があると融資を通しやすいです。
と某金融機関の支店長に教えてもらいました。
そして、その通り、融資してもらうことができました。
メリット③:不動産屋の発言が理解できる
不動産屋の発言が全て理解できるので、円滑にコミュケーションを図ることができます。
また、「宅建士資格が所有している」=「不動産の知識がある」と認識されるので、信頼関係を築きやすいと思います。
さらに、知識がないと騙されるのが不動産の世界なので、騙されにくくになることも、メリットの一つと言えます。
メリット④:宅建業者免許取得のハードルが下がる
大家デビューした後のステップアップとして、宅建業者免許の取得も視野に入れることもあるでしょう。
というのも、宅建業者免許があることで、短期売買を繰り返すことができるようになるからです。
つまり、以下の行為を繰り返しできるようになります。
- 中古戸建を安く仕入れてリフォームし、キレイな中古物件として再販する
- 古家付き土地を安く仕入れて、解体して土地として売却する
かなりグレーではありますが、この行為を宅建業無免許の人が行うと、法律違反になる可能性が高いので要注意です!
宅建業者免許を取得するには、従業員5人に対して、専任の宅建士が1人必要です。
もし、代表者が宅建士であれば、従業員を雇用する必要がないので、それだけハードルが下がります。
また、宅建業免許取得のデメリットとして、160~180万円ほどかかりますし、免許をそのまま他県で使うことはできないので、業者免許の取得は慎重に判断すべきかと思います。
※専任の宅建士:本業がある場合は専任になれない。
不動産投資家が宅建資格勉強をする2つのデメリット
デメリット①:膨大な勉強時間が必要
宅建士に合格するのに300~350時間が必要と言われているので、正直なところ、楽ではありません。
試験当日の8か月前くらいから少しずつ勉強を始め、3カ月前からは、平日3時間、休日8時間は試験勉強をしました。
おそらく380~400時間勉強したと思います。それで、ギリギリの合格でした…。
仕事の合間に、時間を確保しなければいけないので、かなり大変だった記憶があります。
デメリット②:通信講座の場合、約6万円の費用がかかる
ユーキャンの通信講座を受講して、合格することができましたが、かかった教材費は、約6万円。
その他、参考書を購入しているので、合計8万円程度かけたと思います。
ちなみに通学であれば、15万や20万円程度の費用がかかります。
体験談|宅建試験を3ヶ月本気で勉強して合格できた
宅建資格の合格方法
1年目は費用を安く済ませたいため市販の書籍で勉強するも不合格。
2年目にユーキャンの宅建講座で試験勉強し、合格することができました。
ユーキャンの通信講座+過去問10年分の問題集で学習を進めました。
通信講座を選んだ理由
当時、住んでいた地域から最寄の通学講座の会場まで、車で片道2時間半。
この時点で、通学は選択肢から外れ、自ずと、独学か通信講座のどちらかの選択になりました。
1年目は、安く済ませたかったので独学で臨みましたが、散々な結果…。
最寄の本屋で良さそうな本を買って、試験勉強しましたが、合格するための勉強量や時間の確保など感覚が掴めず失敗…。
当日の試験は質問すら半分くらいしか理解できませんでした。
独学では厳しいことがわかり、2年目に、ユーキャンの宅建講座に申し込みました。
ユーキャンの宅建講座を選んだ理由
講座選びで失敗したくなかったため、ユーキャン一択でした。
正直なところ、他の通信講座と比較することはなかったです。
過去に、ユーキャンの「ペン習字」の講座を受講したことがあり、とてもテキストが見やすい、という印象がありました。
「通信講座=ユーキャン」というイメージがあり、再大手の安心感を選びました。
スケジュール|3ヶ月で合格!
2015年10月18日(日)が試験日でした。
試験当日8ヶ月前
2015年2月にユーキャン宅建講座を購入。
時間がある時にテキストを読んで、不動産のことを楽しみながら勉強していました。週2時間程度。
試験当日3ヶ月前
本格的に勉強を開始したのは3ヶ月前。
2015年7月からは受験モードにスイッチが入り、平日は2時間、土日は6時間勉強。
教材のスケジュールに忠実に、テキスト、模擬試験演習などを解いて勉強を進めていきました。
試験当日1ヶ月前
2015年9月下旬からは、更に勉強時間が増え、平日3時間、土日は8時間勉強。
過去問をひたすら繰り返し、間違えた箇所があれば、テキストに戻って理解するようにして、学習を進めていきました。
合計約380時間勉強して、やっと合格できました。
私のように直前で詰め込むのではなく、スケジュールには余裕を持って、試験勉強することをおすすめします!
ユーキャンは、テキストが非常にわかりやすく、計画表通りに勉強を進めていけば良く、事前に必要な時間がわかったので、仕事と私生活との調整がしやすかったです。
もったいない話ですが、試験1年目に買っていたテキスト5冊と試験問題集2冊は、ほとんど使いませんでした…。
試験結果
合格ラインは31点に対して、結果は31点。ギリギリ…。
ユーキャンの通信講座で勉強して、1年目で一発合格することができました。
「教材の質」や「知名度による安心感」を優先する人には、ユーキャンの宅建講座をおすすめします!
あわせて読みたい
別記事で、ユーキャン宅建講座の評判・口コミ・受講した体験談を書きました
他社の宅建講座と比較していますし、ユーキャンが向いている人・向いていない人について書いています。
これから宅建士資格の勉強を始めようと考えている方は、参考までにご覧ください。
ユーキャン宅建講座の評判・口コミ|3ヶ月で合格できた体験談最後に
不動産投資を始めるのに、宅建士資格は必須ではありませんが、宅建士レベルの知識は必要だと思います。
資格取得に、300~350時間くらいかける必要がありますが、時間に余裕がある方は、資格を持っておいて損はないので、是非チャレンジしてみてくださいね!
今回は以上です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!