今回は決算書について。
取引のある金融機関の融資担当者から、決算書のチェック方法を教えていただきましたので解説します。
銀行開拓に関心のある方、必見です!
・銀行開拓を進めて、規模拡大したい!
・金融機関が好む決算書ってどんな特徴があるの?
・決算書の何が重要なの?
この記事をご覧いただくことで、
金融機関が好む決算書の特徴がわかるようになります。
該当する人は、続きをご覧ください。
不動産投資で銀行開拓が必要な理由
不動産は高額であるため、融資を受けないと買えないからです。
なかには、絶対に借金したくない、という人もいると思います。
戸建投資であれば、自己資金の範囲内で、できなくはありませんが、FIREや専業大家を目指すのであれば、銀行開拓は必須です。
でも、2018年以降、融資が厳しくなっていて、簡単に融資が受けられない状況です…。
銀行開拓で決算書が重要な理由
金融機関は、決算書を見て”融資をする・しない”の判断をします。
当然、決算書だけで判断されるわけではありませんが、重要な項目の一つです。
銀行開拓で重要な項目
私の経験上、以下の項目が重要で、総合的に判断されます。
- 個人&法人:不動産賃貸業(不動産投資)の実績|所有物件と入居率
- 個人:保有資産|現金・株など
- 個人:所得|給料(本業がある場合)・事業所得
- 個人:借入|自宅・収益不動産・車など
- 個人:人物|経歴・家族構成など
- 法人:会社の経営状態|決算書
チェック①|決算の回数
決算の回数
決算3期全て黒字がベスト!
融資担当者に、以下のような質問をしました。
3期の決算を終えた法人と、1期のみ法人を比べて時に、”融資する・しない”の判断は、大きく変わるものでしょうか?
正直なところ、その差は大きいです。
当行では、格付けをしておりまして、まだ決算3期済んでいない法人は格が低く、決算3期が済み、更に3期連続黒字の法人は、格が上がります。
格が上がると、融資のご相談をいただいた際、自己資金や金利面など、御社にとって良いご提案ができるのではないかと思います。
補足:決算書3期分の比較
3期分の決算書を見る時に、以下の項目の推移をチェックします。
- 売上
ベストは、右肩上がり - 利益
ベストは、右肩上がり - 資産
ベストは、右肩上がり
※資産は決算書に記載されている資産とは別に、各金融機関独自の計算式で計算された資産 - 負債
ベストは、右肩下がり - 純資産
ベストは、右肩上がり
理想は、決算書3期分を見比べて、売上・利益・資産・純資産は膨らみ、負債は圧縮されていく状態です。
チェック②|貸借対照表(BS)
純資産債務超過ではないこと
債務超過とは、純資産がマイナスの状態。
もし債務超過になっていれば、かなり厳しく評価することになります。
また、代表者からの借り入れは、「負債」ではなく、「純資産」として見ることが多いですよ。
資産
貸借対照表に記載されている数字に加えて、各金融機関独自の計算式で資産を計算します。
決算書では”債務超過”ではなくても、金融機関が”債務超過”と判断する可能性アリ!
資産の計算式は、”土地は路線価”、”建物は再調達価格”という理解で宜しいでしょうか。
おっしゃるとおりで、当行はそのように計算いたします。
また、資産の計算方法に関して、決算書では債務超過ではなくても、当行で資産を計算し直した結果、債務超過となる可能性もあります。
チェック③|損益計算書(PL)
利益(損失)
黒字であること
1期目や2期目であれば、そこまで厳しく見ないことが多いですよ。
各科目|役員報酬など
個人の利益追求のための法人になっていないこと
個人の利益追求のための法人になっているのであれば、かなり厳しい評価をします。
役員報酬が常識の範囲内か、何か私的流用が疑われる項目が入っていないか、チェックします。
決算1期のみの状態で、法人単体で融資可能?
可能性ゼロではありませんが、厳しい!
率直に質問しました。
実は、今年いっぱいで、本業を辞めることになりました。
まだ決算1期しか済んでいない状況で、この先、良い物件が見つかった際に、融資相談をさせていただいても宜しいでしょうか?
もちろんご相談ください。
ただ、正直に申しますと、本業の安定収入がなくなると、今までよりも融資が厳しくなると思います。
でも、可能性がゼロではなく、自己資金を多く入れていただく、金利が若干高くなる、など、こちらからご相談して、ご納得いただけるのであれば、是非とも、と考えております。
まとめ
融資担当者がする決算書のチェック方法を解説しました。
重要なポイントは、以下のとおり。
・債務超過ではない
・黒字決算にすること
・個人の利益追求のための法人にしない
私は、どうしても最短で本業を辞めたかったので、決算1期を終えたタイミングで、辞めることにしましたが、
もし可能であれば、
法人3期を終えてから本業を辞めることをオススメします!
今回は以上です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!