今回は、不動産投資を個人名義で行う場合と、法人名義で行う場合のメリット・デメリット、法人化のタイミングについて詳しく解説します。
・まずは個人事業として始めたらいいの?それとも最初から法人?
・個人、法人それぞれのメリットとデメリットを教えてほしい。
・個人から法人に切り替えるタイミングがわからない。
この記事をご覧いただくことで、
「個人と法人それぞれのメリット・デメリット」、「法人化のタイミング」について理解できます。
気になる方は、続きをご覧ください。
結論|個人か法人どっちが良いのかは、人による
専業大家になるくらい規模拡大を目指すなら、最初から法人化することをオススメします。
逆に、そこまでの規模拡大を目指さない場合や、不動産投資が自分に合っているのか自信が持てない時は、個人名義をオススメします。
・不動産投資に自信が持てない人
不動産投資を個人名義で行うメリット・デメリット
不動産投資を個人名義で行う場合のメリットとデメリットをまとめました。
個人名義のメリット
- 開業の手続きが楽で、費用がかからない
→税務署に開業届を提出するだけ - 税理士への顧問料がかからない
→所有物件の数が少なければ、会計ソフトを使えばなんとかなる - 辞めやすく、費用がかからない
→税務署に廃業出を提出するだけ - 赤字の場合は節税になる
→不動産所得がマイナスだと、本業の給料と損益通算できる - 公務員や副業禁止のルールがあるサラリーマンでもできる
→5棟10室未満であればできます。
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別記事で、公務員向けに副業にならない不動産投資の範囲について、詳しく解説しています。
【公務員の不動産投資】副業と見なされないための方法個人名義のデメリット
- 融資が厳しい
→法人に比べて厳しい - 相続税がかかる
所有はあくまでも個人であり、将来的に相続が必要 - 税金のコントロールができない
→不動産所得が増えると、自動的に本業の給料と合算して課税される
→個人の場合分離課税
売った場合、売却的に対して自動的に税金がかかる - 法人に比べて計上できる経費が限られる
→例)「社用車」「通信料」:利用頻度に応じて按分する - 売却時期に注意が必要
→譲渡税が5年未満だと約40%、5年以上だと約20% - 連帯保証人を家族にしなければいけない
→家族に迷惑をかける可能性がある
個人名義まとめ
一番のメリットは、ハードルが低いことです。
まずは不動産投資を始めてみて、自分に合わないと感じた時にすぐに辞められることが一番の魅力だと思います。
あと、規模拡大を全く考えていない場合は、個人名義で十分だと思います。
法人化のメリット・デメリット比較
不動産投資を法人化して行う場合の、メリットとデメリットをまとめました。
法人名義のメリット
- 融資が受けやすくなる
→サラリーマン大家に対して融資が厳しい傾向がある - 個人よりも経費計上できる項目が多い
→例)「社用車」「通信料」:100%経費化できる - 所得税のコントロールができる
→給料を下げることで、個人にかかる所得税をコントロールできる - 売却時期を気にする必要はない
→譲渡税は、法人の場合は一律 - 節税メリットがある
→法人の場合は総合課税
売却した場合、経費と相殺することにより税金を圧縮できる - 連帯保証人を代表個人にすることができる
→家族に迷惑をかけなくて済む - 相続税や贈与税がかからない
→法人には相続や贈与という概念がない
法人名義のデメリット
- 開業の手間と費用がかかる
→法務局、税務署、都道府県、市町村に届け出が必要になる
→株式会社で25~30万円程度、合同会社で10~15万円程度の費用がかかる - 税理士への顧問料がかかる
→会計処理が複雑になるため必須と思った方が良い
→税理士へ支払う料金は年間20~35万円程度が目安 - 赤字決算でも法人税がかかる
→法人住民税として7万円がかかる - 法人を解散することに、かなり時間とコストがかかる
→過去に法人を解散した時、10万円程度かかった
→法人名義で不動産を所有している場合、さらに費用がかかる - 勤務先によってはできない
→例えば、公務員や副業が禁止されているサラリーマン - 社会保険の加入が必要
→会社の負担が増える
法人名義まとめ
私が感じる法人化の大きいメリットは3つあります。
①銀行融資が受けやすくなる
金融機関に対して、個人事業主と比べて、こちら側の本気度が伝わります。
サラリーマン大家さんには融資が厳しい状況ですし、不動産投資で規模拡大を狙うなら、融資は必須なので、非常に重要なポイントになります。
②所得税のコントロールができる
所有物件数が増えると、自然と不動産所得も増えます。個人であれば、不動産所得が自動的に本業の給料と合算されてしまいますが、法人であれば、法人からの給料を下げることで、所得税をコントロールできます
目安として、本業の給料+不動産所得の合計を、800万円以下に抑えるようにコントロールするのがお得と言われています。
③売却時期を気にする必要がない
個人の場合、5年超の所有で不動産譲渡税は約20%、5年以下の所有で約40%です。それに対して、法人の場合は、所有期間に関係なく一律約35%です。
でも、個人とは違い、譲渡所得と不動産所得との損益通算ができます。
つまり、売却損がでた場合、家賃収入の利益と相殺し、全体の課税所得額を減らすことができます。
ただし、宅建業者の免許を取得してない法人が、短期転売を繰り返すと、宅建業法違反になる可能性があるので、要注意です!
一方で、一番のデメリットは、コストがかかることです。
顧問税理士との契約は必須だと思いますので、20~35万円の固定費がかかってしまいます。
でも、それ以上に法人化するメリットが大きいと思います。
法人化のタイミング
規模拡大を考えているなら、すぐに法人化することをおすすめします!
ただ、不動産投資が自分にできるのか、自信がないうちは、個人事業主でもOK!
まとめ
個人と法人のメリット・デメリットについて比較しました。
メリット・デメリットを天秤にかけると、法人の方がメリットがあることがわかります。
ただ、規模拡大を全く考えていない人は、個人事業主のままをおすすめします。
・最大限、節税をしたい
・会社のルールで、副業OK
・不動産投資に自信が持てない
・会社のルールで、副業NG
今回は、以上です。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました!